目的:硬蛋白質利用研究施設

施設長挨拶

本研究施設は、昭和44年6月に発足し、当初は「皮革研究施設」として、(1)皮革および関連産業に対する学術的、技術的支援、ならびに人材育成に寄与する研究・教育、(2)動物生産の副産物の主成分であるコラーゲンを始めとする硬タンパク質資源の総合的高度利用に寄与する研究・教育を行うことを目的に、わが国で唯一の研究施設として設置されました。その後、研究活動分野の発展にともない、 昭和51年4月に硬タンパク質研究の充実と拡大、さらには、産業面への社会からの要請に対し、学術的にも適切、かつ、迅速に対処できるように、施設名称を「硬蛋白質利用研究施設」に変更し、基礎から応用への研究内容の充実と拡大を図り、国内唯一の研究施設として現在に至っております。この間、一貫して硬タンパク質ならびに生体関連タンパク質資源の総合的高度利用に係る研究を鋭意推進し、多くの先導的研究成果を上げ、学部・大学院の教育を通じて多くの人材の育成に貢献してきました。全国規模の産官学共同研究プロジェクトを推進し、産業対策上も有益な実用的成果を生み出し、社会の要請に応えてきました。

平成16年度の国立大学法人化に伴い、第1期および第2期中期目標・中期計画に則り、これまでの本研究施設の機能に鑑みて、硬タンパク質と関連生体分子について基礎から応用にわたる動物資源利用の複合的、総合的研究を発展させるために、学内における再編・統合の可能性の追求、および学内外の関連する学科、施設ならびに試験研究機関等との連携強化を進めてきました。また、学部、大学院の教育に積極的に参画するとともに、社会への情報発信を強めて、教育と研究の支援の向上を図ってきました。

平成28年度は、第3期中期目標・中期計画のもと初年度として研究施設の活動を開始しました。当施設の活動については、平成29年3月8日の参与研究員会議において、今期の活動状況、研究内容、実績および進捗状況、平成29年度以降の将来計画について報告を行い、参与研究員の評価と意見を受け、いずれの点においても良好であるとの評価を戴きました。その内容を研究施設報告第60号として纏めました。参与研究員からのご指摘、ご意見、ご示唆に則り、これからも本研究施設の研究内容を補完するために、東京都立皮革技術センター、日本ハム株式会社、株式会社ニッピとの研究協力協定を継続進行し、さらに、大学、公的機関、あるいは企業の研究機関との共同研究や研究交流を通して研究領域の充実・拡大を図っていきます。このような連携強化は本研究施設の研究力の向上や研究分野の拡大のみならず、社会貢献への具体的な道を切り拓くことも期待でき、今後も継続、発展させたいと考えております。

本農学部には、本研究施設の研究内容と関連した多くの専門分野が揃っており、連合農学研究科を通じた茨城大学農学部および宇都宮大学農学部の関連専門分野の存在、また、関連試験研究機関等の協力があることが、本研究施設の活動を支えているものと思います。これらの関連・関係各機関との連携をさらに密にして硬蛋白質利用研究施設として、これからも硬タンパク質を中心とした動物資源の高度な有効利用に向けた応用研究や、硬タンパク質の新たな機能解明などの先進的な基盤研究に裏付けされた応用開発研究を通して、学術的な先進性はもとより、常に、社会ニーズに柔軟に対応できるように、特色ある研究拠点として大きな発展を図っていきたいと考えております。今後とも研究施設の活動にご理解いただき、ご支援の程、よろしくお願い申し上げます。

平成29年6月

国立大学法人 東京農工大学 農学部附属
硬蛋白質利用研究施設 施設長
野村 義宏