目的:硬蛋白質利用研究施設

施設長挨拶

本研究施設は、硬蛋白質利用研究施設の基礎から応用への研究内容の充実と拡大を図り、国内唯一の研究施設として現在に至っております。この間、一貫して硬タンパク質ならびに生体関連タンパク質資源の総合的高度利用に係る研究を鋭意推進し、多くの先導的研究成果を上げ、学部・大学院の教育を通じて多くの人材の育成に貢献してきました。全国規模の産官学共同研究プロジェクトを推進し、産業対策上も有益な実用的成果を生み出し、社会の要請に応えてきました。

平成29年度は、第3期中期目標・中期計画のもと初年度として研究施設の活動を開始しました。当施設の活動については、平成30年3月7日の参与研究員会議において、今期の活動状況、研究内容、実績および進捗状況、平成30年度以降の将来計画について報告を行い、参与研究員の評価と意見を受け、いずれの点においても良好であるとの評価を戴きました。その内容を本冊子に研究施設報告第62号として纏めました。参与研究員からのご指摘、ご意見、ご示唆に則り、これからも本研究施設の研究内容を補完するために、東京都立皮革技術センター、日本ハム株式会社、株式会社ニッピとの研究協力協定を継続進行し、さらに、大学、公的機関、あるいは企業の研究機関との共同研究や研究交流を通して研究領域の充実・拡大を図っていきます。このような連携強化は本研究施設の研究力の向上や研究分野の拡大のみならず、社会貢献への具体的な道を切り拓くことも期待でき、今後も継続、発展させたいと考えております。

本農学部には、本研究施設の研究内容と関連した多くの専門分野が揃っており、連合農学研究科を通じた茨城大学農学部および宇都宮大学農学部の関連専門分野の存在、また、関連試験研究機関等の協力があることが、本研究施設の活動を支えているものと思います。これらの関連・関係各機関との連携をさらに密にして硬蛋白質利用研究施設として、これからも硬タンパク質を中心とした動物資源の高度な有効利用に向けた応用研究や、硬タンパク質の新たな機能解明などの先進的な基盤研究に裏付けされた応用開発研究を通して、学術的な先進性はもとより、常に、社会ニーズに柔軟に対応できるように、特色ある研究拠点として大きな発展を図っていきたいと考えております。今後とも研究施設の活動にご理解いただき、ご支援の程、よろしくお願い申し上げます。

最後になりますが、本年度は基礎研究部門の新井浩司教員の死去を受け、施設専任の教員が2名という体制になり、至らない点が多々ありましたことをお詫び申し上げます。新井浩司先生におかれましては、平成9年に本施設基礎研究部門の助手、平成21年に准教授に昇任されました。その間、細胞外マトリックス制御における調節因子の役割を明らかにするために、細胞外マトリックス調節因子としての TGF-βファミリーの役割とその結合蛋白質の利用に関する研究、2)皮膚創傷治癒におけるアクチビンの役割に関する研究を行ってこられました。また、応用生物科学科および応用生命化学専攻の教育研究に従事され、約30数名の学生の卒論、修論、博士論文の指導を行ってこられました。早すぎるご逝去に心からお悔やみ申し上げます。

平成30年5月

国立大学法人 東京農工大学 農学部附属
硬蛋白質利用研究施設 施設長
野村 義宏