発表:皮革研究部門

発表論文

  • Impact of hyaluronan size on localization and solubility of the extracellular matrix in the mouse brain. Glycobiology 33(8), 615-625, 2023年8月 doi: 10.1093/glycob/cwad022
    Diana Egorova, Yoshihiro Nomura, Shinji Miyata.
    記憶維持には、神経細胞周囲の細胞外マトリックスが必要である。ヒアルロン酸は、主要な細胞外マトリックス糖鎖であり、シナプスを安定化することで記憶を強化する。ヒアルロン酸は、巨大な糖鎖であり、その分子量の違いによって異なる機能をもつ。しかし、組織ヒアルロン酸の分子量を簡便に解析する手法は確立されていない。本研究では、他検体からヒアルロン酸を迅速に精製、分析する手法を報告した。本研究は、脳におけるヒアルロン酸の機能解明のために有用なプラットフォームを提供する。
  • Fucosylated heparan sulfate from the midgut gland of Patinopecten yessoensis. Carbohydrate Polymers 2023, 313, 120847 2023年3月 doi: 10.1016/j.carbpol.2023.120847.
    Shoichi Onishi, Kento Shionoya, Kazuki Sato, Ayumu Mubuchi, Shiori Maruyama, Tadaaki Nakajima, Masahiro Komeno, Shinji Miyata, Kazumi Yoshizawa, Takeshi Wada, Robert J Linhardt, Toshihiko Toida, Kyohei Higashi.
    本研究では、日本ホタテガイの中腸腺から新規なフコシル化ヘパラン硫酸(Fuc-HS)を同定した。ホタテガイHSは、コンドロイチナーゼやヘパリナーゼなどの分解酵素に対する耐性を示し、軽度の酸加水分解により、ホタテガイHSがフコシル基を失うとヘパリナーゼに対する感受性が増加した。1H NMR解析から、FucがGlcAのC-3位置に結合している可能性が示唆された。GC-MSでは、Fucが3-O-または4-O-硫酸化されている可能性が示唆された。さらに、ホタテガイHSは抗凝固および神経突起伸展促進活性を示した。よって、ホタテガイ中腸腺は生物活性を持つ貴重なFuc-HSの源である。
  • Assembly of neuron- and radial glial cell-derived extracellular matrix molecules promotes radial migration of developing cortical neurons. eLife 2023年11月 doi.org/10.7554/eLife.92342.1
    Ayumu Mubuchi, Mina Takechi, Shunsuke Nishio, Tsukasa Matsuda, Yoshifumi Itoh, Chihiro Sato, Ken Kitajima, Hiroshi Kitagawa, Shinji Miyata.
    高次脳機能を司る大脳皮質は、発生期に神経細胞が移動することで厚みを増していく。この神経細胞の移動を制御する、細胞内機構はよく研究されている。しかし、細胞外マトリックスのような細胞外環境が神経細胞移動に関与するのか不明な点が多い。本研究では、発生期の大脳皮質に形成される細胞外マトリックス複合体の構成分子を明らかにし、遺伝学的および酵素的手法でこの複合体を分解することで神経細胞移動が阻害されることを見出した。この研究は、大脳皮質の発達における細胞外マトリックスの重要性を証明した研究である。
  • The stiffness and collagen control differentiation of osteoclasts with an altered expression of c-Src in podosome. Biochemical and Biophysical Research Communications 2024年2月 in press
    Kei Urano, Yuki Tanaka, Tsukasa Tominari, Masaru Takatoya, Daichi Arai, Shinji Miyata, Chiho Matsumoto, Chisato Miyaura, Yukihiro Numabe, Yoshifumi Itoh, Michiko Hirata, Masaki Inada.
    本研究では、骨吸収に関与する破骨細胞が、骨の硬さに応答することが明らかにした。本研究では、骨吸収を促進するサイトカインRANKLにより、硬いコラーゲンを感知するためのアクチン豊富な結合構造であるポドソームが誘導されることを明らかにした。さらに、RGD含有のコラーゲンおよびインテグリン-メカノセンシング経路を介して、破骨細胞は硬いコラーゲンのRDS配列を感知し、ポドソーム構成成分を通じて骨吸収を調節することが示唆された。
  • Eugenol alleviates the symptoms of experimental autoimmune encephalomyelitis in mice by suppressing inflammatory responses. Int Immunol, 128, 15 Feb 2024, 111479 1567-5769.
    Jihye Lee, Sungmoo Hong, Meejung Ahn, Jeongtae Kim, Changjong Moon, Hiroshi Matsuda, Akane Tanaka, Yoshihiro Nomura, Kyungsook Jung, Taekyun Shin.
    オイゲノールは、クローブ精油の主要な化合物であり、抗炎症作用と抗酸化作用が報告されている。最近の研究では、脳虚血/再灌流損傷などの中枢神経系(CNS)損傷に対する神経保護効果が実証されているが、CNSの自己免疫疾患である多発性硬化症(MS)に対する影響はまだ調査されていない。MSの確立された動物モデルである実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)に対するオイゲノールの治療効果を評価した。EAEマウスにオイゲノールを毎日経口投与することで臨床症状の重症度が顕著に減少した。オイゲノールは、EAE 関連の免疫細胞浸潤と炎症促進性メディエーターの産生を阻害した。組織学的検査により、EAE誘導後の脊髄の炎症と脱髄を軽減する能力が確認できた。よって、オイゲノールは、主に抗炎症作用によいEAE 誘発マウスの脊髄の神経炎症を軽減する。
  • Immature mandarin orange extract increases the amount of Hyaluronic acid in human skin fibroblast and keratinocytes. Cytotechnology https://doi.org/10.1007/s10616-024-00615-4. 2024
    Tomoko Furukawa, Chisato Yokono, Yoshihiro Nomura.
    未熟みかんを化粧品機能性素材として利用するために、未熟みかん中のヘスペリジンとナリルチンの季節変動変化とヒトの皮膚細胞への影響を調査した。青島、大津、湘南ゴールドのヘスペリジン含有量は、開花後1ヶ月程度で多くなる。 湘南ゴールドは青島や大津に比べてナリルチンの含有量が高い。ヒト皮膚線維芽細胞および角化細胞に未熟みかん抽出物を添加すると、ヒアルロン酸合成酵素の遺伝子発現レベルおよび培地中のヒアルロン酸含有量が対照よりも高いものであった。また、未熟みかんに含まれるヘスペリジンが皮膚細胞のヒアルロン酸産生能力を高めることが示唆されました。この結果から、未熟みかんは化粧品や機能性食品の特徴的な素材であることが分かった。

総説、著書、解説

  • The property of the extracellular matrix formed by hyaluronan in the brain depends on the molecular weight of hyaluronan.
    Glycoforum Vol.26 (6), A23, 2023年12月1日
    Diana Egorova, Shinji Miyata.
    https://doi.org/10.32285/glycoforum.26A23
  • Report on the 14th International Hyaluronan Conference (HA 2023).
    2023年8月1日
    Shinji Miyata.
    https://doi.org/10.32285/glycoforum.26A16
  • Role of chondroitin sulfate in neural plasticity.
    Glycoword Proteoglycan, PG-D15 2023年6月15日
    Shinji Miyata.
    https://glycoforum.gr.jp/glycoword/proteoglycan/PGD15E.html
  • トコトンやさしい コラーゲンの本
    日刊工業新聞社 2023年3月30日発行
    野村義宏
  • 図解 眠れなくなるほど面白い 化学の話
    日本文芸社 2023年9月10日発行
    野村義宏、澄田夢久
  • 変形性関節症の動物モデルへの機能性 食品アップルフェノン投与による効果
    機能性食品と薬理栄養 Vol.16 No.5 266-273 2023年4月10日発行
    小林麻里奈、丸山拓馬、渡部睦人、野村義宏
  • 第1章 コラーゲンとは コラーゲンの機能と応用
    監修:真野博、君羅好史 シーエムシー出版 3-12, 2023.
    野村義宏
  • 皮膚細胞へのアラビノガラクタンープロテイン添加による影響
    Functional Food Research 19: 56-64, 2023.
    那須さくら、笹木友美子、原真佐夫、渡部睦人、野村義宏
  • 光老化皮膚および骨粗鬆症モデル動物への基原の異なるコラーゲン加水分解物の投与効果
    Functional Food Research 19: 73-83, 2023.
    王璐瑤,細川茉佑子,望月萌恵,宮田真路,稲田全規,野村義宏
  • 機能性素材としてのサメの利用
    板鰓類研究会報 58: 24-36, 2023.
    野村義宏

特許、その他

  • ヒアルロン酸産生促進剤
    特願2024-002098
    発明者;野村義宏、堤渚沙、塚田洋平、板橋勇二
    出願人;国立大学法人 東京農工大学、㈱TFY
    出願日;令和6年1月10日

学会発表

  • 筋拘縮型エーラス・ダンロス症候群の原因遺伝子 CHST14 の欠損により、Collagen XV 上のデルマタン硫酸が消失する.
    第4回 日本エーラス・ダンロス症候群(EDS)研究会@オンライン開催 2023年12月2日
    橋本 康平.
  • 遺伝子操作により神経可塑性に関わるペリニューロナルネットの形成を誘導する.
    第96回日本生化学会大会@福岡国際会議場. 2023年10月31日〜11月2日
    宮田 真路.
  • 筋拘縮型エーラス・ダンロス症候群の原因遺伝子CHST14の欠損により、XV型コラーゲン上のデルマタン硫酸が消失する.
    第96回日本生化学会大会@福岡国際会議場. 2023年10月31日〜11月2日
    橋本 康平.
  • マウス脳の発達に伴い細胞外マトリクスの凝集性が上昇する分子機構の解析.
    第96回日本生化学会大会@福岡国際会議場. 2023年10月31日〜11月2日
    鶴田 敦子.
  • コンドロイチンGalNAc転移酵素-1欠損マウス脳におけるコンドロイチン硫酸プロテオグリカンの解析.
    第96回日本生化学会大会@福岡国際会議場. 2023年10月31日〜11月2日
    宮部 桃佳.
  • 認知機能の低下に関与するコンドロイチン硫酸の生合成関連酵素の探索.
    第96回日本生化学会大会@福岡国際会議場. 2023年10月31日〜11月2日
    野澤 優衣.
  • Functional analysis of a ternary complex of hyaluronan, neurocan, and tenascin-C formed in the developing mouse cerebral cortex.
    89th Harden Conference-Proteoglycans: Matrix Master Regulators 2023@De Vere Horsley Estate, Surrey, UK. 2023年9月4日〜9月7日
    武渕 明裕夢.
  • 遺伝子操作によるマウス脳でのペリニューロナルネットの異所的形成.
    第42回日本糖質学会年会@とりぎん文化会館. 2023年9月7日〜9月9日
    宮田 真路.
  • マウス胎仔期の大脳皮質形成を制御する細胞外マトリクス複合体の分子機構.
    第46回日本神経科学大会@仙台国際センター. 2023年8月1日〜8月4日
    武渕 明裕夢.
  • ヒアルロン酸の長さによる細胞外マトリックスの局在と溶解度への影響.
    第46回日本神経科学大会@仙台国際センター. 2023年8月1日〜8月4日
    Diana Egorova.
  • 細胞外マトリクスにより形成される微小環境は大脳皮質発生に重要である.
    第64回日本神経病理学会総会学術研究会/第66回日本神経化学会 大会 合同大会@神戸国際会議場. 2023年7月6日〜7月8日
    武渕 明裕夢.
  • ペリニューロナルネットを操作する手法の確立と神経可塑性の制御への応用.
    第64回日本神経病理学会総会学術研究会/第66回日本神経化学会大会 合同大会@神戸国際会議場. 2023年7月6日〜7月8日
    宮田 真路.
  • 脳の発生と成熟におけるヒアルロン酸含有細胞外マトリクスの構造的リモデリング.
    第55回日本結合組織学会@岡山大学鹿田キャンパス. 2023年6月24日
    宮田 真路.
  • IMPACT OF HYALURONAN SIZE ON LOCALIZATION AND SOLUBILITY OF THE EXTRACELLULAR MATRIX IN THE MOUSE BRAIN.
    The 2023 meeting of the International Society for Hyaluronan Sciences (ISHAS) @ Portland, Oregon 2023年6月4日〜6月8日
    Diana Egorova.
  • STRUCTURAL AND FUNCTIONAL REMODELING OF HYALURONAN-BASED EXTRACELLULAR MATRIX DURING BRAIN DEVELOPMENT AND MATURATION.
    The 2023 meeting of the International Society for Hyaluronan Sciences (ISHAS) @ Portland, Oregon 2023年6月4日〜6月8日
    宮田 真路.
  • 低タンパク食飼育及び紫外線照射によるマウス皮膚脆弱モデルの創製
    看護理工学会 神戸大学 2023年6月10日
    井上沙耶、北川敦子、峰松健夫、紺家 千津子、松崎恭一、佐久間敦、野村義宏.
  • 長ネギ抽出物による光老化モデルの皮膚状態改善効果.
    ファンクショナルフード学会 米子コンベンションセンター 2024年1月20日
    堤渚沙、渡部睦人、塚田洋平、板橋勇二、野村義宏.
  • やげん軟骨由来プロテオグリカンの構造的特徴と変形性膝関節症モデルおよび光老化モデルの摂取効果.
    ファンクショナルフード学会 米子コンベンションセンター 2024年1月20日
    本島桃華、池田学、野村義宏.

講演、セミナーなど

  • 脳におけるヒアルロン酸の機能.
    ヒアルロン酸機能性研究会「第6回学術大会」@キューピーホール. 2023年10年12日
    宮田 真路.
  • 細胞外マトリックスによる神経機能の制御機構.
    量子科学技術研究開発機構. 2023年6月16日
    宮田 真路.
  • コラーゲン「皮革製造の基礎知識」
    令和5年度 皮革産業技術者研修. 都立皮革技術センター 2023年7月11日
    野村義宏
  • コラーゲン 食べる・塗ることでの可能性
    令和5年度 第3回皮革関連セミナー.都立皮革技術センター台東支所 2023年9月8日
    野村義宏

学会役員・委員、外部機関の委員など

  • 宮田真路.日本糖質学会 評議員
  • 野村義宏.日本皮革技術協会 理事
  • 野村義宏.ファンクショナルフード学会 理事長
  • 野村義宏.皮革研究所 評議員

学術論文審査

  • Frontiers In Neuroanatomy 1件
  • Frontiers In Neuroanatomy 1件
  • Cellular and Molecular Neurobiology 1件
  • Frontiers In Cellular Neuroscience 1件
  • Sci Rep 1件
  • Brain Structure and Function 1件
  • BBB 1件