発表:基礎研究部門・研究室

発表論文

  • AP-1-mediated expression of brain-specific class IVa β-tubulin in P19 embryonal carcinoma cells.
    J Vet Med Sci. 76:1609-1615 (2014).
    Maruyama Y, Arahara K., Kinoshita E and Arai K.
    マウス胚性腫瘍細胞株P19のレチノイン酸依存性神経分化過程において、クラスIVaβ-チューブリンが強い発現上昇を示す。この発現制御領域を解析したところ、転写開始点の上流20塩基付近に存在するAP-1結合領域が重要であり、その発現にはJunD/ATF2の関与が示唆された。

学会発表

  • ミズクラゲ由来酸性ムコ多糖の特性と間葉系幹細胞の分化能に与える影響
    第16回マリンバイオ学会大会,三重、5月31日、2014.
    吉田沙也子、福田有希、笠嶋快周、新井克彦
    ミミズクラゲより得られた酸性ムコ多糖 (GAG) 画分の特性を解析するとともに、このGAGがウマ骨髄由来間葉系幹細胞の分化能に与える影響について検討しところ、ミズクラゲ由来GAGの添加が骨分化能の低下を抑制していると考えられた。
  • ミズクラゲ由来非コラーゲン成分を抗原としたモノクローナル抗体の作製とその特性
    第16回マリンバイオ学会大会,三重、5月31日、2014
    山田晴菜、小西良尚、新井克彦
    クラゲ由来成分の探索研究を目的として、ミズクラゲ抽出物を抗原として作製したモノクローナル抗体は、エフィラを用いた蛍光抗体染色所見から、刺胞を認識するグループと分泌物に反応する抗体に区別された。また、cDNAクローニングにより、分泌物に対応する分子としてメソグレインと flagellar attachment zone protein (FAZP) が同定された。FAZPを認識するMAbは、ほ乳類の大腸粘膜細胞のムチンとも交差反応性を示し、また、刺胞を認識する抗体の一つが認識する抗原は、マウス悪性黒色腫細胞の細胞接着を抑制した。
  • ウマ骨髄由来間葉系幹細胞の腱分化誘導に関する研究
    第27回日本ウマ科学会学術集会,東京、12月2日、2014.
    宮原志穂璃、秦 寛以、笠嶋快周、桑野睦敏、新井克彦
    単層培養下における骨髄由来間葉系幹細胞(BMSC)でのテノモデュリン(Tnmd)、XIV型(Col14)、XXIV型(Col24) コラーゲン、FibromおよびCOMPのmRNA発現レベルは、腱組織と比較して極めて低い値を示したが、コラーゲンゲル内培養BMSCでは、Tnmd、Col14およびCol24およびFibrom mRNA発現レベルの上昇がみられ、さらに、β-カテニン経路を活性化することで、Tnmd発現は腱組織レベルまで上昇した。
  • マウス胚性腫瘍細胞株のフィブロネクチンによるソニックヘッジホッグ遺伝子発現の制御
    第119回日本畜産学会大会、宇都宮、3月28日、2015.
    高橋 智、荒原一彦、佐々木和夫、森松文毅、新井克彦
    フィブロネクチン(FN)上においてソニックヘッジホッグ(Shh)のmRNA発現が上昇することが判明したため、FNによるShh遺伝子発現制御メカニズムの解析を試みた。その結果、インテグリンαvノックダウン-P19細胞においてFN上でのShh発現上昇は抑制された。また、ルシフェラーゼアッセイの結果からShh遺伝子の転写開始点の上流にFNに対し高い反応性を示す領域が示され、転写因子AP-1およびFoxA1の関与が示唆された。

講演

  • 植物由来酸性多糖の幹細胞維持培地への添加効果
    第1回学産交流ポスターセッション、新化学技術推進協会、平成26年10月30日
    新井克彦
    ウマ骨髄由来間葉系幹細胞(MSC)では継代に伴い、その表面マーカーであるCD73、CD90、CD105等の発現が低下すると共に、ヒアルロン酸を主とする酸性ムコ多糖(GAG)の培地中への分泌量が低下することが観察される。一方、MSCの維持培地にヒアルロン酸等の酸性ムコ多糖を添加することで、分化能が維持されるという報告があるが、一般的にGAGは動物由来であるため感染等の危険性が懸念される。我々は、植物よりGAG類似物質を調製しMSC維持培地に添加することで、長期にわたり骨分化能を維持できることを見出した。